長らくフリーライターだった秋本俊二さんが「航空ジャーナリスト」と呼ばれるようになったのは１５年ほど前だ“旅人目線”で飛行機の魅力を語り、大事故や国際紛争のときに活躍することが多い航空評論家とは別の視点で情報を発信してきた秋本さんが７月に出版した「航空大革命」（角川書店、税別９１４円）は、業界の１０年後を予測するとともに空の旅への愛情があふれた一冊となっている
[フォト] 遊覧飛行が復活したレトロな航空機を取材する秋本さん
■航空工学→放浪の旅へ
「事故原因や戦況の解説は大事なことですが、（ほかの機会に）なぜもっと楽しいことも言わないのかな、と疑問に思っていました」ここ数年で“空美ちゃん”と呼ばれる女性たちが出てきたように幅広い層の航空機ファンがいるテレビなどで見せるウンチクだけではない軽妙な語り口は中高生や空美ちゃんからも好評だ
「最先端のテクノロジーが詰まった機体の先には海外があるパリ行きの機内はパリの文化が凝縮してるし、それを味わえば旅はもっと楽しくなる」とし、「飛ばすには本当にたくさんの人がかかわってて産業としても面白い」と魅力を語る
学生時代に航空工学を専攻し、卒業後はライターを目指して単身渡米した「エンジニアになれば安泰だったけど、本が好きだった」と理由を明かす周囲の大反対を押し切り、アルバイトでためた資金でロサンゼルスへ向かった
「カニ族（バックパッカー）が駅前で寝ていた時代です居ついちゃって帰れなくなるヒッピーがたくさんいたそうはなりたくなかったから若者たちに取材しては出版社に売り込みの原稿を送り続けました」
資金が尽きて１年後に帰国原稿に目を止めた編集者から声がかかり、ライターとしての仕事が入るようになった「バブル時代も経験してますし、３カ月必死に働いて２カ月放浪の旅に出ることを繰り返してました」
航空ジャーナリストと呼ばれる頃には既に３０カ国以上回っていた「飛行機のことはよく分かっていたし、機内も相当ウオッチングしていた」ことで材料は蓄積されていた“空の旅”を絡めた仕事が自然と増え、いつのまにか航空ジャーナリストの肩書がついていた
「航空と物書き好きな仕事が２つつながってラッキーかもしれません」とうれしそうに笑う
■航空ジャーナリストとして
本の中で経営破綻し再建中の日本航空（ＪＡＬ）について１章を設けた
「貧乏旅行をしてて嫌なことがあると本当に心細くなるそんなときにその国の空港でＪＡＬの翼を見て『自分は日本とつながっているんだ大丈夫』と元気をもらい放浪を続けました」
高度成長期に単身で海外の市場開拓に挑んだビジネスマンらをＪＡＬが影で支えていた話が紹介されている「何があってもＪＡＬから離れられない」と話す年配ユーザーにたくさん会った モデルで歌手のきゃりーぱみゅぱみゅのデビューミニアルバム「もしもし原宿」（11年8月発売）が、年間で最も秀逸なCDジャケットに贈られる「ミュージックジャケット大賞2012」を受賞した
「もしもし原宿」のジャケット写真
同ジャケットは、“口裂け女”風のペイントメイクを施したきゃりーの顔をアップで撮したインパクト大の作品アートディレクターのスティーブ・ナカムラ氏は「（きゃりーの）デビューだったので独特なキャラクターを表現できればと思い、表情やメイクで勝負しました今の世の中には、保守的で一般的な感じよりも、面白いジャケットの方が見た人を元気にできると実感した作品です」とコメントまた、自身の名刺代わりともなった同作品にきゃりーは、「デビューの作品がこんな名誉ある賞をいただけるなんてとってもうれしいです！！」と喜ぶとともに、「いつもジャケットはカワイイだけじゃなくっておもしろさとか不思議さとかが出せるようにこだわって作っていますこの作品作りに関わってくださったスタッフのみなさまに感謝して、これからもみんなでおもしろいものを作り続けていきたいです」とコメントしている
「ミュージック・ジャケット大賞」は、音楽ジャケット文化の継承・発展を目的として2011年に制定されたなお、今年度の受賞者はきゃりーのほか、準大賞にPerfume「スパイス」、MAN WITH A MISSIONの「MAN WITH A MISSION」、特別賞に南波志帆「水色ジェネレーション」がそれぞれ選ばれている
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■航空工学→放浪の旅へ
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「事故原因や戦況の解説は大事なことですが、（ほかの機会に）なぜもっと楽しいことも言わないのかな、と疑問に思っていました」
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