昼夜逆転や幻覚などは認知症にまつわる症状とされるが、専門医からは「服用している薬を整理するだけで、びっくりするほど良くなるケースがある」との意見が出る薬を素人判断で中断するのは危険だが、高齢者は特に服用のリスクも考える必要がある(佐藤好美) 東京都小平市に住む松永美智子さん(63)=仮名=は若年性認知症の夫(68)を介護している夫は食事時には、天ぷらに敷いた紙まで食べてしまうし、わさびもそのまま口に入れてしまう痛い、熱い、寒いも訴えないから、けがをしても気づかない危険性があって目を離せない
発端は8年前怒りっぽいので心療内科にかかり、鬱病と診断された通院に抵抗感があり、足が遠のいた2年後、言葉が出なくなって大学病院にかかり、前頭側頭型認知症と診断された夫は若い頃から眠れないたちだったが、診断を受けたころからひどくなったありとあらゆる薬を試したが、1~2時間しか眠れない一晩に3回も薬を飲むこともあったようだ
介護保険を申請してデイサービスを使い始めたが、デイで眠り込んだり、家で階段を転げ落ちたり松永さんは病気が進行したのかと心配し、介護保険で部屋に手すりを付けた高齢者の転倒は命取りだからだ
しかし、ある日、ふと薬を数えてみたら、数が足りない「どんどん進行する不安もあって、夜中に『もう1錠』と飲んだのでしょう階段から転げ落ちたのも、そのせいでは薬は怖いです」と松永さんは振り返る
以来、薬は松永さんが管理するしかし、それが可能になったのも、病気が進行したから「夫は昔ながらの人で、以前は『妻に任せられるか』と、何でも自分でする人だったいろいろなことができなくなって、やっと私に任せてくれるようになりました」
医療機関を替わってからは夫も眠れるようになり、今は効果の強い薬を徐々に減量、副作用の少ないリズム調整型の睡眠薬への置き換えの過程だ
日中に眠り込むこともなくなり、朝はテレビの時計とデジタル時計を交互に見ながら、「行かなくちゃ」とデイサービスに機嫌良く出掛けていく「昔男児なので、仕事に行く感覚らしいんです」
今年の誕生日には、娘夫婦や息子、義姉とバースデーケーキを囲んだロウソクを吹き消すことができないので、娘と息子が代わりに消した「誕生日だと分かるわけではないけれど、みんながいるからニコニコして長いこと、この人のために何がしてあげられるかと思っていたけれど、その顔を見たら、ああ、これだけでいいんだと思いました」と話している
◆ベンゾ系の睡眠薬 効果高いが副作用も
松永さんの夫の場合は、過剰服用による転倒だが、そもそも処方される薬が不適切だったり、量が多過ぎたりするケースも少なくない
日本睡眠学会認定医で、小平駅前クリニックの伊藤敬雄(たかお)医師は「不眠や不安の第一選択薬『エチゾラム』は効果が高い半面、転倒、ふらつき、急な中断による意識障害などの副作用があるしかし、エチゾラムやそれに似た作用のベンゾジアゼピン系(ベンゾ系)睡眠薬は、よく使われる割にはリスクが周知されていません」と指摘する
ベンゾ系睡眠薬には、過剰投与による持ち越し効果(効果が翌朝に持続する)、健忘・記憶障害、依存、筋弛緩(しかん)によるふらつきがあるとされる最近では、認知症の発症リスクと関連があるとの研究報告もある
伊藤医師の診療所には、幻覚、暴言・暴力、徘徊(はいかい)といった認知症の「行動心理症状」の悪化した患者も多く紹介されてくる「眠れないと不安だからと、不眠が改善されても、睡眠剤を長期に服用している高齢者は多いさらに、もの忘れの症状が認められると、診断と適応が不十分にもかかわらず、抗認知症薬が安易に処方されるその副作用で不安や焦燥感、不眠などが悪化し、対症療法的にベンゾ系睡眠薬が増量、追加される結局、コントロールがきかなくなって紹介されてくる」と言う
◆素人判断は厳禁
伊藤医師が注意を促すのは薬の量「高齢者は肝臓、腎臓の代謝機能が落ちており、特に認知症患者は脳器質が脆弱(ぜいじゃく)なので、薬の副作用による意識障害や行動障害が出やすいだから、睡眠薬は2分の1から3分の2の量で始めるのが一般的症状に合う作用時間の薬が処方されているか、指示通りに飲まれているかも要注意です」と言う
生活習慣の改善も必須だ「午前中に太陽の光を浴びているか、夜更かしをしていないかそこを修正せずに睡眠薬を飲んでも効果は乏しく、安易な増量で副作用を誘発しやすい」と指摘する夫は食事時には、天ぷらに敷いた紙まで食べてしまうし、わさびもそのまま口に入れてしまう
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