電子書籍販売サイト「eBookJapan」を運営するイーブックイニシアティブジャパンは、河出書房新社刊の「屍者の帝国」（伊藤計劃氏、円城塔氏著）を他電子書店に先駆けて10月5日より販売開始した
屍者の帝国は、2009年に34歳の若さでこの世を去った伊藤計劃氏の長篇小説だ当時未完であった絶筆を、盟友であり芥川賞作家の円城塔氏が引き継ぎ、3年4カ月の歳月をかけて完成させた紙版は8月27日に発売済みだが、電子書籍版には特設サイトに掲載された円城氏の『「屍者の帝国」あとがきに代えて』を特別収録している
ストーリーは、クリーチャ創造技術が全世界に拡散し、「屍者」たちが労働用から軍事用まで幅広く活用される19世紀末が舞台英国政府機関の密命を受けて「屍者の帝国」を目指す、秘密諜報員ワトソンの冒険を描いた作品だ 「持続的に成長する優良企業を観察すると、ほとんどのケースで創業者の精神が徹底されている」米コンサルティング会社「ベイン・アンド・カンパニー」ロンドンオフィスパートナーのジェームズ・アレン氏はこう話す
スウェーデン発祥の家具大手イケアや、デンマークの玩具会社レゴ、米のエンタープライズ・レンタカーなどは創業者の目線を徹底させ、成功した代表例衣料品のしまむらやファスナーのＹＫＫ、スポーツ用品のアシックスなどは、日本企業の成功例としてあげられるという
なぜ、創業者精神の徹底が業績を押し上げるのか創業者は、事業に対する思いが人一倍強く、自社が培ってきたかけがえのない強みを磨き続けるどうしたら勝てるかを常に考え、現場を経営者の分身と考えるみんなが創業者目線で仕事をすれば「経営陣と現場の距離、現場と顧客との距離がそれぞれ近くなる」（アレン氏）結果的に、経営者の思いが直接消費者に伝わりやすくなるのだ
ただ、アレン氏は「創業者が経営に復帰すべきだ、というわけではない」とクギを刺すたとえ創業者が現役を退いても、後継者が創業者目線で経営を続けることは可能だ創業者の生の声を聞けなくなっても、以前より「教育」を徹底させればよい
日本企業は多くの名経営者を輩出したパナソニック（旧松下電器産業）の創業者、松下幸之助氏や、ソニーの井深大氏と盛田昭夫氏、シャープの早川徳次氏など枚挙にいとまがないアレン氏も「これらの創業者が健在だったころは、日本企業から学ぶべきことが多かった」と振り返る
しかし、偉大な創業者たちが現役を引退したり、この世を去ると、企業は羅針盤を失ういま、経営不振に苦しむ企業は、多くの理由があげられているが、創業精神の伝承がうまくできていなかったこともその一つではないか
創業者を失った企業は、官僚組織化し、複雑な組織の決まりごとや人間関係に支配されやすい目先の成果だけを追い求め、長期的な視点で本当に会社のためになるような決断を下せないでいる紙版は8月27日に発売済みだが、電子書籍版には特設サイトに掲載された円城氏の『「屍者の帝国」あとがきに代えて』を特別収録している
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